説得力

 某所の日記で、自分の文章は説得力があると評価されている。
 正直、すごく嬉しい。ネットで小説を書いている人間にとって、誰かに評価されると言うのは望外の喜びに違いない……誰かにそれを読んでもらっているという証でもあるからだ。

 以前にもあったが、どうやったら文章がうまく書けるかという趣旨の質問を貰った。
 どうやればうまく書けるか。そんな事知ってたら僕はとうの昔に作家になれていると思う。まあ僕自身まだまだ精進の必要有りと考えてはいるし、どちらかというと「上手くなるためのアドバイス」的なことしか出来なくてちょっと歯がゆかったりもしたのだが。
 僕のような絵心ゼロの人間にとって、文章は唯一絶対の武器だ。だから文章を読んだだけで、その場の情景やキャラクターの心情などが一発で理解できる。そんな文章を目指して書いている。
 たとえミノフスキー粒子サイコミュなど、現代科学から遠くかけ離れたモノであっても、まるで自分がその原理を全て知り尽くしているかのように書かねばならない。そこから逃げてしまえば、「僕は自分でも何が書きたいのかよく分かっていません」という証明に繋がってしまう。そんな小説、誰が読みたいと思うだろうか。

 しかし同時に、「書く方は何が書きたいのか分かっていても、描写が下手故に読者に伝わってこない」というパターンもありうるという事を、SEEDを見て確信していたりする。
 核分裂が無限のエネルギーとか言ってみたり
 人類を超越した新人類であるはずのコーディネイターが、アイドル一人の発言に右へ左へ見事に操られてみたり
 「種割れ」や「鯨石」といったキーアイテムの説明も為されぬまま続編に丸投げしてみたり

 もう「美形のキャラがあれこれ戦う」というのだけがSEEDのウリといっても過言ではない……むしろ積極的にそういう方向へ持っていっている感覚すらある。そうなってくると僕のように世界観や技術設定をできる限り活かそうというタイプの(自分で言うなという感じだがw)人間は、どうも見ることそのものが苦痛になってくるのである。