酸っぱい葡萄

　ちょっと思った事。

　イラクで無抵抗の負傷者を撃ち殺すアメリカ兵の映像が公開された。
　普通に見れば、負傷している人間を撃ち殺すアメリカ兵は「悪い奴」となる。日本のメディアもそれを狙って流しているように見受けられる。

　だが、少し考えて欲しい。
　もちろん無抵抗の人間を射殺する事など許される事ではない。だが彼はその行為に至る前、銃火の中を必死に掻い潜り、ついさっきまですぐ隣で笑っていた戦友が銃弾を浴びて負傷……あるいは戦死するところを目の当たりにしている。
　そんな彼の心情を、まったくの安全距離にいる我々が「酷い事をした悪い奴だ」と一言で断言してしまって良いのだろうか。
　射殺されたイラク人にしても、ついさっきまで銃を手にアメリカ兵と戦っていたのかもしれない。自分だってあのアメリカ兵と同じ場所に放り込まれて同じ経験をした後、同じ行動に出ないと言う保証は出来ない。

　先日の小学一年生の女児殺害事件に関しても、女児が殺害されたからといって安易にアニメやパソコンゲームのせいにしたり、ネット（主に２ちゃんねる）のせいにしたりといった短絡的な報道がちらちらと見え隠れする。

　そういう短絡的な思考しかできないくせに、「自分は頭が良いのだ」と胡坐をかいてそれっぽい事をぐちゃぐちゃと吐き散らす「自称良識派」や「自称専門家」を見るたび、吐き気がするのだ。

　写真はジャギュア。