ふと思った事

 ふと考えてみた事。
 ニュートロンジャマーで何人死んだんだろうという事。
 まずユニウスセブンに核を撃ち込んだ時、約20万人の人間が死んだ。その報復としてザフトニュートロンジャマーを撃ち込み、地球は深刻なエネルギー不足に陥った。
 その結果死んだ人間の数は、20万人を上回ったのだろうか。

 この場合タチが悪いのは、撃ちこんだ側は「直接的に人を殺したわけではない」という事。つまり本編で言っていた通り「核が降ってくるよりましだ」と言っている事だ。
 果たして、核が降ってくるよりマシなのだろうか。
 電力不足に陥って死んだ人間は地球全土で何人いるのだろう。それが明らかになっていない以上「核が降ってくるよりマシ」「核を使わなかったプラントのコーディネイターは情け深い」という印象を与えてしまう。
 本当にそうなのだろうか。コズミックイラになっても化石燃料を使った火力発電が行なわれているとは思えない。核融合あるいは核分裂による原子力発電がメインのあの時代、ニュートロンジャマーを撃ちこまれてエネルギーの供給を絶たれ、パニックと寒さと暗闇の中で死んでいった人間は何人いるだろうか。
 ニュートロンジャマー核兵器という図式は間違っているのではないだろうか。ニュートロンジャマー核兵器に勝るとも劣らない戦略兵器だったのではないか。いや、直接人を殺していないと言う点で「俺たちは情け深いんだ」とコーディネイター達に思わせてしまっている。核兵器よりたちが悪い。
 そういう描写を試みようかと考えている。